コラム

空手の段位(黒帯)は凶器?

友人と空手の話しをしたときに聞かれたのが「空手の段位は凶器とみなされる」「段位を取ると警察に登録される」という話しです。
だから例えば喧嘩になったときに、普通よりも罪が重くなる、裁判でも不利になるというわけです。
プロボクサーも同じような話しがあります。
これは本当なのでしょうか?



確かに素人の拳と熟練者の拳は物理的に全然違いますし、単純な突きや蹴りでも威力の差は歴然です。
そもそも空手というものは戦闘技術なので、普通に考えたら凶器ですね。
相手に怪我を負わせれば、状況によっては傷害罪などに問われるでしょう。


まず、警察に登録の件です。
空手は段位を取ると、本人の住所を管轄する警察署(運転免許を見ればわかります)に行きます。
その際に、段位認定書、4.5cmx3cmの写真を2枚、身分証明書を持っていきます。
警察署ではまずビデオ(50分くらい)を見て、その後に講習、最後に誓約書にサインします。
そうすると登録証(ICチップ付き)が発行され、晴れて段位を名乗ることが出来ます。


・・・なんてことはありません。
そんなこと言ったら、柔道は?剣道は?合気道は?その他のスポーツは?
武道の種類は数多くある上に、さらにそれぞれに多数の流派があります。
警察で把握なんてとうてい出来ないでしょう。
ということで警察で登録なんて都市伝説です。
登録されることはありません。


つぎに「段位は凶器とみなされる」です。
これまたそんなことはありません。
そして「罪が重くなる」という点。
実は傷害罪などでは空手の段位が有ろうが無かろうが関係ありません。
罪の重さは基本的に「加害者の意志」と「被害者の被害の程度」が問題になります。
段位を持っているだけで自動的に罪が重くなるなんて事はありません。


だからといって油断してはいけません。
どんな空手家でも、素人よりは戦闘力は高いでしょう。
うかつに手を出せば、「被害者の被害」は普通よりも大きくなる可能性は高いです。
空手の業を使うとその性質上、どうしてもわかりやすい外傷になります。
そこが柔道や合気道と違うところで、いわゆる「手を出した」と見られやすいです。


一般的に傷害罪では正当防衛を立証するのは難しいです。
どうしても止むを得ない場合を除いては逃げるのがよさそうです。
結論として、「登録、重罪はウソ」だけど「喧嘩になったら逃げろ」ということですね。

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